おはこんばんちは。
三菱自動車が販売するプラグインハイブリッド車アウトランダーにおいて電池が熱で溶けるという不具合が発生して生産が停止したというニュースがありました。
自分も電気の設計している身分ですので対岸の火事とはいえないニュースではあります。
最近はハイブリッド車が増えてきたので様々なメディアでも電気で走る車についての記事を見かけることがあります。
一部の記事では
「電気自動車は開発コストがかかるエンジンとちがって電池とモーターとコントローラーがあれば走るから誰でも?作れる。これからはベンチャーの電気自動車メーカーが誕生するだろう」
っぽいような書き方をされるものが散見された。
自分で手を動かさない人って本当に簡単にいうな・・ とツクヅク思いました。
電池もモーターもコントローラーもみんな専用品で一生懸命作っているんですよね。
特に電池なんて化学変化のカタマリなので温度などの周囲環境で全然違う特性を示します。これは私見ですが二次電池の保証なんてあってないようなものだと考えています。
「でも電池とモーターを電線で繋げば回るでしょ?」
よく内容を理解していない方ほどこの言い方をされます。
あのさ。ミニ四駆じゃないのよ。
事故を起こしてグシャグシャなった車を考えてください。
電線がむき出しになって短絡したらあのデカイ電池がどうなるか?
パチっ!
じゃ済みませんね。車なんて簡単に全焼しますから。
だから事故を起こしてもヒドい事にならないように二重三重で保護できるようつくってあります。
寒くても暑くても走らなきゃなりません。北海道で零下30度で急に走れなくなったら車内で凍え死んじゃいますよね。東京なら電車で帰れますが、北海道では命がけになります。
もっともっと難しい課題がたくさんある電気で動く自動車はちっとも簡単には作れないのよね。
実はアップルのiPodシリーズでも似たようなことを言っている記事がありました。
既存のデバイスを使って作るだけだから簡単に作れるよね・・・
まぁ確かに部品はそこらにあるものが多いですよ。
でも部品だけじゃ動かないって知ってます?
「コンピュータ、ソフトがなければただに箱」
って言葉。
iPhoneがiOSというオペレーティングシステムで動いているのは有名ですが、通信部分にはまったく別のOSが走っているコトを知っている方はどの位いるのかな?
そういうヒトってICを見てゲジゲジとか言っちゃうんだろうな。両手にも満たないピン数のICだって中にはソフトが載ってプロセッサーが走っていることもあるんですよ。
既存部品組み合わせだってあの薄い筐体のなかになんとか押し込んで、素晴らしい操作性を示すソフトを走らせたから売れるんであって、それが簡単にできなかったからアップルに後れをとった死屍累々のメーカーがあったのよね。
製品が安定して動作するためには繋いだだけじゃだめなのよ。
どこまでフェールセーフをとるかは大事ですが、コストやサイズとのトレードオフでもある。
シンプルなものほど、このさじ加減が難しいってもんです。
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